とにかく気色悪い。道尾秀介『向日葵の咲かない夏』
道尾秀介『向日葵の咲かない夏』
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
〈BOOKデータベースより〉
こども探偵が殺人事件を解決しようと頑張る、ひと夏の爽やかな青春小説
.......だと思ったら大間違い。
読み進めていくと、モヤモヤと湧き出てくる違和感と気持ち悪さ。
この世界は、どこかおかしい。
終盤に近づくにつれ、世界そのもののおかしさに気づき、怒涛のどんでん返しを経て、最後まで読み終えると仕込まれていた伏線の数に驚く。
読後はとにかく胸糞悪い。
狂気的で異常で、大半の人は読んだことを後悔すると思う。
ちなみに著者である道尾秀介はこうコメントしている。
「僕の読みたいミステリーが書きたかった」
誰よりも狂ってるのは著者だった。
変態が手を叩いて喜ぶ、かなり賛否の分かれる作品。
【まとめ】
読みやすさ ★★☆
言葉選び ★☆☆
ストーリー ★★☆
変態度 ★★★
総合 ★★☆