独断と偏愛

とにかく現実から目を背けたい20代フリーター

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

母のそれは愛情か、異常か。秋吉理香子『聖母』

秋吉理香子『聖母』 幼稚園児が遺体で見つかった。猟奇的な手口に町は震撼する。そのとき、母は―。ラスト20ページ、世界は一変する。『暗黒女子』の著者が放つ驚愕の長編サスペンス・ミステリー 〈BOOKデータベースより〉 ラスト20ページで世界が一変する。 …

今月のBRUTUSの表紙は、本好きなら勃起すること間違いなし

こんばんは、扁平足です。 今回はBOOKレビューではなく、ただの日記。 先日、近所のTSUTAYAで久しぶりに雑誌を購入。 ジャケ買いした。 本好きなら必ず興奮するであろう、この表紙。 作り手側は、 これを手にとって瞳孔を開きながら勃起している本好きの人の…

豊富な語彙力とセンスが光る言い回し。尾崎世界観/千早茜『犬も食わない』

尾崎世界観 / 千早茜『犬も食わない』 「だめな男」と「めんどくさい女」。「結婚とか別れ話とか、面倒な事は見て見ぬふりでやり過ごしたい」「ちゃんと言ってよ。言葉が足りないから、あたしが言い過ぎる」――脱ぎっ放しの靴下、畳まれた洗濯物、冷えきった…

普通ってなんだろう。村田沙耶香『コンビニ人間』

村田沙耶香『コンビニ人間』 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安…

無機質な世界と漂う虚無感。森博嗣『スカイ・クロラ』

森博嗣『スカイ・クロラ』 僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる…

少女はやがて女に。金原ひとみ『TRIP TRAP』

金原ひとみ『TRIP TRAP』 中学校にも行かず半監禁状態の同棲生活。高校は中退しヤクザに怯えながらもナンパ男を利用して楽しむ沼津への無銭旅行。結婚後、夫への依存と育児に苦しみながら愛情と諦念の間を揺れ動くパリ、ハワイ、イタリアへの旅。そしてふと…

とにかく気色悪い。道尾秀介『向日葵の咲かない夏』

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) 作者: 道尾秀介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/07/29 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 164回 この商品を含むブログ (306件) を見る 夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠…

喪失と再生と、死とセックスと。村上春樹『ノルウェイの森』

村上春樹『ノルウェイの森』 暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく…

彼は、わたしの破壊者であり創造者だった。藤崎彩織『ふたご』

藤崎彩織『ふたご』 彼は、わたしの人生の破壊者であり、創造者だった。異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。SEKAI NO OWARI Saori、初小説! 〈BOOKデータベースより〉 頑なに文庫本派のわたしが、思わずハードカバーで買って…

インモラルの限界を超える。金原ひとみ『軽薄』

金原ひとみ『軽薄』 18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ…

現実から目を背けたい20代の根暗フリーターが備忘録がてら始めました

こんばんは 偏平足です ちなみに偏平足とは、わけのわからん初期設定にテンパりながらとっさに考えたニックネームです 20代にして愛用化粧品は100均と無印。 ひとりでファミレスに行っては、あり余った想像力を駆使し、近くの客の私生活や身元を割り出して手…